クレーム対応って、実際どんな感じ?
クレーム対応はやっぱりストレスフル?

クレーマーとか、面倒なお客様って、正直、電話受けたくないですよね。。
でもコールセンターで勤務している限り、それは避けて通れません。
ただし、ですよ。。
私のこれまでの経験上、
そういったクレーマーに該当するお客様というのは全体のうちの1割程度しかいません。
それに、もしクレーマーからの電話を受けてしまっても、
以下に示す『対処法』を参考にしていただければ、あなたが受けるストレスもだいぶ緩和されるはずです。
『いや、ホント、クレーマーからの罵詈雑言でメンタルやられてしまった〜』なんて、
今現在、悩まれている方も、以下のようなコミュニケーションスキルを身につけ、
対応に自信を深めていただければと思います。

本業は会社員の40代ブロガー。
2019年から通算3年ほどコールセンターでの勤務を経験。
2年ほどオペレーターを務めた後、1年間SV(スーパーバイザー)として勤務。コールセンターを含め、通算7度の転職を経験し、職場での人間関係の悩みに対処する術を身につける。
SV(オペレーター)との人間関係も大事。

私は、とある事情により、2年間のオペレーター時代には、
クレーマーからの電話を受けることがありませんでした。
その代わり、SV(スーパーバイザー:管理職)になってからの1年間で、
クレーマーに電話対応していただいたオペレーターの方々の代わりに、
“上席対応"として、何度も対応したことがあります。
『シンさん、、また例の△△さん(クレーマー)からです。向こうはこうこう、このように言ってます。代わっていただけませんか?』と、すがるような顔つきでオペレーターの1人が訴えてくることが何度も。。
『分かりました。対応します。』と言って応じるのですが、、
まあ正直、クレーマーなお客様に対しては、私も心底、嫌な気持ちになってました。。
あまり気が進まないのが正直な気持ちでしたが、
オペレーターの方に頼られているのと、
それに、当時請け負っていたクライアントが外資系の自動車販売会社ということもあり、
何か技術的なトラブルがあると、英語力を駆使して本国に問い合わせできる人が自分メインだったので、
“技術的なことは自分にしか回答できない"という、
ある意味、プライドというか、使命感みたいなものもありました。

『いやお客様、たいへん申し訳ございません。今現在、本国に問い合わせておりますが、どうやらこのシステム系のアップグレードが、この度のトラブルに影響しているようでして、、』なんて、
やや技術的なことをある程度詳しく説明すると、
大概のお客様はある程度、ヒートアップしていた感情が緩んできます。
『いや、そのトラブルは分かったんだけど、そしたらそれってどのくらいかかるの?来週には⬜︎⬜︎まで旅行に行く予定なんだよ。』と。
『さようでございましたか。それはご不便をおかけしております。本国の方にももっと急ぐよう伝えさせていただきます。』
、、と、ここまで伝えれば、怒りは完全に消えないとしても、
そのお客様も、電話をかけてきた当初にくらべれば、だいぶ熱量は冷えています。
これだけ対応の難易度が下がるのは、技術的な話をできるからだけではないんですよね。
ある意味、オペレーターがお客様の熱量をある程度察知し、相手がどういうところにお怒りなのか、その下情報を事前にうまく伝えてくれるからなのですね。
そういう意味でも、SVにとっては日頃からオペレーターとの人間関係を良好に保っておくのが吉、なわけです。これは逆の場合にも同じことが言えます。
オペレーターにとっても、SVとの信頼関係を構築しておけば、「ここまで回答して、あとはお任せすれば上手に対応してくれる」と、安心してバトンタッチできるわけです。
結果として当初はクレーマー化していたお客様も、
しぶしぶながらも、こちらの対応にある程度納得し、逆に顧客満足度は上がる場合すらあります。
SVにしても、オペレーターにしても、
日頃から職場での信頼関係を保っておくのは互いにとってもお客様にとっても良い、ということです。
ここまで読んでいただいて気付いたことはありませんか?
クレーマーといっても、上記の例はほぼ、サービス提供側に落ち度がある場合で、
現在起きている事情を誠意を持ってしっかり説明すれば、大概のお客様はある程度納得してくれます。
一方、サービス提供側に全く落ち度がないのに、いろいろ難癖をつけてくるお客様というのは、ほんの一握り。
サービスの業種にもよりますが、お客様が100人いたら、そのうちの1〜2人くらいではないでしょうか。
そういう人は嫌でも目立ちますので、職場でも“ブラックリスト"に名を連ねることが多いです。
そして、もしそういう厄介なクレーマーが電話してきたら、
場合によっては謝罪しつつも、毅然とした態度を取るべきです。
こちらがいつまでも低姿勢でい続けるのは、
そのクレーマーをますますモンスター級のクレーマーに増長させてしまうだけです。
言葉遣いは丁寧にしつつも、
『お客様、それは当方のサービスとしては致しかねます。』と、きっぱりと回答しましょう。
ひたすら謝罪しまくるのもよくない。

これまでの例はどちらかと言うと、あらかじめ専門的知識があり、
お客様にある程度回答できる管理者(SV)の対応要領でした。
では、まず最初に電話を受けるオペレーターは、どうクレーマーに対処したらいいでしょうか?
これは経験年数や業務知識の多寡にもよりますが、
まずはトークスクリプト通りにお話を伺い、お詫びの言葉を述べるのは当然なのですが、、
ここであまり卑屈に謝罪しすぎてもよくありません。
こちらがひたすら謝罪を重ねているだけだと、相手はむしろ苛立ち、
人によっては火に油を注ぐことにもなりかねない結果に。。
『さっきから謝ってばっかりだけど、結局、どうしてくれんだよ!』なんて。。
ご自身でできる限りの回答をし、これ以上は謝ることしかできない!となったら、
早めにSVなどの管理者に“上席対応"してもらうのが良いです。
なかには責任感を感じて、『自分がなんとかしなければ!』と頑張りすぎる方もいらっしゃいますが、
結果としてお客様のお怒りを増福させてしまっては元も子もありません。
上でも述べてますが、なるべく職場での信頼関係を良好に保ち、チームとして最適な回答をすべきです。
お客様には必ずフィードバック ➡︎ むしろ信頼を得るチャンス。

お怒りのお客様にひとまずご納得いただいてホッとした〜、、で済ませてはもったいないです。
お怒りの程度によっては、お客様に『いついつまでに返答くれよ。』と、回答を求められる場合もありますし、
仮にそうでなくても、なるべく日数を空けずに、
『お客様、先日はたいへんご迷惑をおかけ致しました。⬜︎⬜︎のトラブルの件でございますが、、』と、
クレームの原因となった内容についてのフィードバックをこちらから架電(アウトバンドコールといいます)した方がいいです。
これには、お客様のお怒りを鎮め、それ以上のクレーム電話を防ぐという意味もありますが、
加えて、顧客満足度を上げるという意味合いもあります。
通常、お客様にとってはお金を払っている以上、
サービスは何の問題もなく提供されて当たり前、という意識があり、
そこにはサービス提供側に対してそれ以上の価値を覚えることはありません。
ですから、何かサービス内容にトラブルが生じて、
それがクレーム案件につながってしまった場合は、逆に“顧客満足度を高めるチャンス"とも言えるのです。
◉対象のトラブル案件に対して、サービス提供側がどういう対応をしたのか
◉再発防止のためにどういう回避策を講じたのか
それをお客様にしっかり伝える(フィードバックする)ことで、
お客様は満足し、人によってはその会社に対してそれまで以上に信頼を高めることだってあり得ます。
まして、最後には『ありがとう、そういう対応をしてくれたんだね。じゃあ、今後もお宅のサービスを使い続けるよ。』なんて”お客離れ”を防ぐことができれば、
その対応したオペレーターは職場での評価も当然上がるでしょう🙌
『一応、お客様にはご納得いただきました。』だけで済ませてはもったいないのです。
クレーム対応 = ビジネスコミュニケーションスキルの向上

ここまでお読みになり、どのように感じたでしょうか?
クレーム対応は、ストレスが溜まるもの。。
というイメージが少しは緩和されたのではないでしょうか?
◉こちらに全く非のないクレームに対しては毅然と対応すべき
◉ひたすら謝罪の言葉を繰り返すのは良くない
◉フィードバックをしてむしろ信頼感、顧客満足度を向上させる
いずれも、”お客様対応”のみならず、ビジネスコミュニケーションスキルを高めるための大事な要素です。
さまざまなタイプのお客様に対して、その時々でベストな解決策を模索し、提示する。
こういったスキルこそ、コールセンター業界だけではなく、
他のあらゆる業界・業種で役立つ、実践的スキルとなり得ます。
クレーマー対応は嫌なもの、という誤解は捨て、
前向きに、ご自身のスキルを高める要素だと考えてみてはいかがでしょうか?